同社がもう一つの中核技術として展開しているのが、ナノバブル水「NanoGAS(ナノガス)」だ。もともとは腸内フローラ移植における菌液の安定性と安全性を高める目的で使用されてきたが、現在ではその技術的特性が注目され、医療にとどまらず幅広い分野での応用が期待されている。
NanoGASは、約200ナノメートル以下という極小の泡を水中に安定的に封入したナノバブル水。この泡はマイナスに帯電し、互いに反発し合うことで長期間にわたって結合せず、微細な状態を保ち続ける。実際に、製造後10年が経過しても泡の構造が維持されていることが確認されており、その高い安定性が特徴だ。腸内フローラ移植においては、このNanoGAS水を用いることで、抗菌薬や腸管洗浄といった従来必要とされていた前処置を省くことが可能になった。
NanoGAS水の特性は医療用途にとどまらず、さまざまな産業分野においても有用性が認められている。食品の酸化抑制や洗浄力の向上といった効果が見込まれ、日本酒メーカーや化粧品企業との共同開発が進行中だ。水素NanoGAS水を用いた酒類の酸化抑制技術は、革新性が評価され、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発型スタートアップに助成金を提供するSBIR推進プログラムにも採択された。今後、研究開発の加速とともに、NanoGAS技術の新たな応用展開が期待されている。
同社は、神戸ポートアイランドにある中小機構のインキュベーション施設「神戸健康産業開発センター(HI-DEC)」内に研究開発拠点と製造プラントを整備し、1トンタンクからペットボトル単位での供給まで、用途に応じた柔軟な提供体制を構築している。また、プラント自体の貸与も視野に入れ、全国的な導入に向けたインフラ拡充を進めている。