空き家や古民家を活用した起業・創業にチャレンジする人材をいかに広げていくか。中心市街地を活性化するうえで大きなカギを握るまちづくりプレーヤーを増やすため、埼玉縣信金では、今後の創業を考えている市民を対象にした実践的なセミナー「エリアコミュニティで起業しよう!」を2022年からスタートさせている。
経営の基礎を学ぶ講義と地域事業者の拠点見学を組み合わせたセミナーで、街歩きをしながら、空き家や古民家を活用した事業を見てもらう。事業に取り組む事業者から直接話を聞く機会も設けられている。2024年度は7~10月、全5回のセミナーを実施。川越市や小川町、嵐山町などを巡った。今年度で3回目の開催となるが、毎年20~30人ほどが参加しているという。
「ビジネスプランのつくり方やマーケティングの基礎などいろいろな角度から創業に役立つ講義を行い、いろいろな街をみてもらう。その中から、『この地域で創業しよう』と取り組んでくれる人が現れてくれることを期待している。まずは創業してもらうことが第一歩」と平原氏は話していた。
埼玉縣信金では、まちづくりファンドとエリアコミュニティセミナーの2つの柱を同時並行で進める形で創業・まちづくり支援を実施。セミナーの受講生が地域で起業した際は、セミナーの講師になってもらい、体験談やノウハウなどを講義してもらう。先輩の講義を聴いた受講生が同じように起業に挑戦。まちづくりファンドを利用して、空き店舗・古民家をリノベーションした事業を始める。事業が軌道に乗った際には、今度は講師としてセミナーに登壇してもらう。
「空き家・古民家を活用した起業に取り組む人が増え、その一つ一つの拠点が線でつながり、面として広がっていく。ファンドとセミナーが好循環をもたらし、地域の活性化につながるよう取り組んでいきたい」と意気込みをみせている。「地域金融機関が社債で支援する手法は優良企業でないと取りにくいが、民間都市開発推進機構と連携してファンドを組成することで取り組みやすくなる。空き家問題は多くの地域がかかえる課題でもあり、課題解決の方法としてぜひ参考にしてほしい」と平原氏は話している。