BreakThrough 企業インタビュー

先進技術を活用する「VRツアー」、「ライブカメラ買物システム」を搭載したCMS「@WEB」は、ビジネス成功保証付きの自信作【株式会社つくばマルチメディア】

2018年 12月 13日

矢印をクリックし上空散歩を楽しめる「VRツアー」
矢印をクリックし上空散歩を楽しめる「VRツアー」。下向き矢印で着陸し、360度の景色も堪能できる
summary

創業以来、今まで見たことのないシステムの開発に邁進
誰でも簡単にホームページ運営ができるCMSで、ビジネスを成功に導く

世界がWindows95に沸いた1995年、株式会社つくばマルチメディアは創業した。代表取締役の小田部文彦氏は、いわゆる“IT畑”出身ではないが、つくばの研究者たちと交流するうちに、「これからはインターネットの時代だ」と感じたという。

同社創業の3年前、1992年には、文部省高エネルギー加速器研究機構 計算科学センター(当時)の森田洋平博士が、日本最初のホームページを発信。まさに、インターネットの黎明期だった。現在、日本最初のホームページは、同社社員によって管理されている。

いずれ、インターネットは当たり前のものになる

同社の開発力は、時代を先取りしていた。1998年には、パソコンで更新すると自動的にサーバーに保存される「@更新」を開発。これは同社が現在も注力するCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の基礎となるものだ。

このころ、すでに小田部社長は「いずれ、全国のどんな地方にも高速回線が引かれ、インターネットが普及する」と考えていた。「そのとき、農家や小さな商店の方はホームページを運営できるのだろうか。誰でも簡単に扱えるツールを開発しなければならない」と。

代表取締役 小田部文彦氏
多彩なアイデアを開発力で実現する同社代表取締役 小田部文彦氏

グーグルストリートビュー公開の前年に

同社は創業以来、先進技術の開発を行い、これまでに11件の特許を取得している。
最初の特許は、2006年に登録された「地図誘導映像システム」だ。地図上で2つの地点を指定すると、最短経路を探索し確定。その経路を進む動画が閲覧できる。カーナビゲーションとグーグルストリートビューを合体させたようなシステムだが、静止画をつないだグーグルストリートビューが公開されたのは2007年。それより早く、動画でシステムを確立していた。

この特許技術はさらに進化し、2014年度経済産業省の「ものづくり・商業・サービス革新補助事業」に採択された「天球映像撮影車システムと全天球走行映像地図・構図等誘導システムの開発」へとつながっていく。2016年に完成した全天球映像撮影車は、複数のカメラで撮影するため、真下を含む360度の全天球映像を撮影できる。

全天球映像撮影車V-360。頭上と後方に設置されたカメラ
全天球映像撮影車V-360。頭上と後方に設置されたカメラが360度撮影を可能にする

さらに、全天球映像は、冒頭にある「VRツアー」へと発展する。ドローンで撮影した映像の中を、空を飛ぶようなイメージで進み、下向きの矢印をクリックすれば、地上に降り立つことができる。カーソルを動かすことで、その地点から見た360度の映像を堪能できる。

ゴーグルを装着すればVRとして3D映像を楽しむこともできるこのシステムを用いて、2018年11月中旬には茨城県が、2019年早々には北海道がVRツアーを公開する予定だ。

商品をカメラの前に置けば、24時間営業の店舗ができる

創業当時から、誰でも簡単にホームページが運営できればと考えていた小田部社長。
そこで同社は、個別の商品を撮影しなくても、たとえば商品棚をカメラやビデオで撮影し、USBケーブルでパソコンに接続。取り込んだ画像のうち、必要な部分指定するだけで、画像が保存できる「ライブビルダー」を開発した。

その後、開発は進み、被写体認識ライブカメラ通販システム「ライブストア」に発展する。ビデオカメラで撮影されるライブ映像を見て、顧客は、気になった商品をクリックする。すると、個別の商品写真と価格や説明などが表示され、購入できるというシステムだ。店主にITのスキルがなくても、商品をカメラの前に置くだけで、24時間営業が可能となる。

ライブストアの個別写真。
ライブストアの個別写真。左の操作パネルで顧客が自由に動かし、時計の裏側まで見て購入を決定できる(サンプル)

誰でも簡単。そのうえ、アクセス数アップのビジネス成功保証付き

同社の「@WEB」は、VRツアーやライブストアといった先進技術が搭載されたCMSだ(一部オプション対応)。小田部社長は「これ以上の機能を持つCMSはない」と自信をのぞかせる。
さらに、①誰でも簡単に操作できる、②場所や時間、利用機器やOSに左右されない、③管理作業が容易で時間がかからないというIT初心者向けでありながら、④初期費用、維持費用が低コストで、⑤アクセス数の増加を確約し、ビジネス成功保証も付いている。

というのも、同社はある時期、ロボット検索エンジンを開発していた。つまり検索エンジンの仕組みを、開発者の立場で理解している。そのためSEO対策は万全で、アクセスアップは簡単だという。実際、@WEBを導入した事業者はほとんど、検索上位をキープしている。

小田部社長は「@WEBは今後、ホームぺージ作成業者への販売を中心にして、弊社はクラウドシステムの管理に徹したい。そうすれば、新たな開発を進めることができる」と語ってくれた。次はどんなアイデアが具現化されるのか、今後の活躍に注目したい。

企業データ

企業名
株式会社つくばマルチメディア

開発しているシステムは、次世代の5G、ブロードバンド・ユビキタスに対応するシステムで、10件の国内特許と1件の国際特許を取得しています。また、セキュリティ、ユーザビリティ、アクセシビリティ、ユーザーエクスペリエンスを徹底した開発・構築を行っています。

取材日:2018年10月17日