日本での事業展開
原発由来の放射能を判定するためには特殊な機器が必要だ。安全環境事業部ではウクライナのメーカーと独占契約を締結し、土壌や水、食品中に含まれる放射性物質を測定する放射能測定器や空間線量測定や物品の表面汚染検査のためのガイガーカウンターやサーベイメーターなどの販売を開始した。
放射能測定器は他国でも製造されているが、研究用が多い。ウクライナのメーカーの機器は民間レベルで活用できるものだ。ウクライナでは市場にラボが併設され、オペレーターが市場の商品の放射線量を測定している。その検査で合格しなければ市場で販売することはできない。
検査に合格した食品には認証シールが貼られる。ウクライナでは、市場に並ぶ食品の多くが地元産だ。そのため毎日販売前に検査を行っているという。
被ばくには、外部被ばくと内部被ばくがあるが、放射能性物質が含まれている食品を摂取した場合に起きるのは内部ひばくだ。市場に流通させる前に検査することの意味は、この内部被ばくを防ぐことである。食べ物から放射能を体内に取り込んでしまうことがあるため、定期的な検査が必要であるということには社員も驚いた。ウクライナから得た情報で知ったのだ。
機器を購入するのは、食品管理や衛生管理をしなければならない食品加工会社や市民団体などだ。中には子供の健康を心配する医者が購入し、病院に設置して測定できる環境を整えているケースもあるという。
被災地の市長からの依頼により、市職員に対し放射線測定方法の指導なども行っている
放射能に関する情報発信の一環として、ウクライナの商工会議所のメンバーや研究メンバーを日本に招いて講演を行ったり、現地の様子を理解してもらうために彼らと福島を訪れたりしている。
社員がボランティアとして機械を持参し、民家の除染活動を支援している。安全環境事業部のメンバーは、ウクライナのキャンプで半月ほど講習を受け、田畑や土地の放射線量の正確な測定手法を学んでいる。
被災地の市長からの依頼により、市職員に対して測定方法の指導やフィールドワークを行っている。また、評価後の対応についてもアドバイスを行っているという。
セミナーには、食品衛生管理者や経営者などさまざまな人が参加している。サーベイメーターを納入した公的機関では、使い方を指導するためのセミナーを全国で開催している。
ウクライナ支店を設立してから2年が経過したが、日本で事業を手掛けることによりウクライナの企業が気づいていない技術があることを知った。日本で培ったノウハウや技術をウクライナで広げることにも着手したいと考えている。
国内においても、がれき処理や中間処理場施設などいまだ多くの問題を抱えている。サードウェーブグループは、これからも社会貢献の理念に基づき、国内外の課題解決に取り組んでいく。