順風満帆のようにみえる味千ラーメンの中国展開。しかし、昨年は思わぬチャイナリスクにさらされ、試練の時を迎えた。店舗には「味千ラーメン」と日本語で表記されているため、沖縄県尖閣諸島の国有化をめぐる中国での反日デモの被害を受けた。現地の店舗では経営者も働いている従業員も、中国人なのに、なぜ攻撃を受けるのかという残念な思いだった。デモ以降、やはり中国での売上高は減速気味だという。しかも、中国では、日本のラーメンチェーンが相次いで上陸し、日本式ラーメンの競争が激化している。そのうえ、物価の高騰という逆風も吹いている。重光社長は「消費地の人件費が高騰し、いろいろなものの価格も上がっている。現地ではラーメンの価格に転嫁せざるを得ない」という。
日本でも物価が上がり、賃金が上昇した時代があったが、まさに今の中国はそんな状態だ。「一人でも多くの人に」を掲げる味千ラーメンも物価高騰という逆風には逆らえず、ラーメンの販売価格も当初に比べ、7-8元は値上げした。それでも巨大市場であり、知名度も味も認知されている中国の優先順位は高い。重光社長は具体的に出店目標を語らないが、国内外で820店を実現した今、当然ながら1000店の大台が視野に入っているだろう。
ラーメンの本場、中国でこれほどまでに受け入れられている「味千ラーメン」の成功の陰には、「日本の味を大勢の人に食べてもらいたい」という信念がある。