例えば、コーヒーゼリーが固すぎると、ストローで吸った時になかなか口までたどり着かなくストレスを感じてしまう。逆に、柔らかすぎると輸送段階でクリームと混ざりすぎてしまい、コーヒーゼリーとの絡まり加減が生命線となるドロリッチでは許されない。「各種のゲル化剤を使って使用量を組み合わせたり、充てん温度を変えたりして数えきれないほどの検証を行った」(難波氏)という。
生産ラインでテストを繰り返し、ストローで吸うとちょうど良くつぶれて、しかもクリームと最適に混ざり合う固さのコーヒーゼリーの設計を見つけた。また、飲む場所で味が変わる味の不均一性を出すために、クリームがコーヒーゼリーの中でまだら状に配置される独自の充てん技術を開発した。
ストローも独特な形状に変更。通常は先のほうが細いが、ドロリッチに付いているストローは、吸うときにコーヒーゼリーを細かく崩さないように先を太くしている。
逆テーパーと呼ばれる同ストローは「ドロリッチのために考えられたものではない。違う商品を担当する開発者が考えていたものだった。開発で力を発揮するには日々の積み重ね。考え続けていたことがある日突然、結びつき突破口になる」(同)と強調する。
ネーミングは「ドロリッチ」に決定。「ドロ」という表現が「泥」を連想させるため、会議でも異論が噴出した。だが「市場にない商品。お客様に新しいことをやっているというメッセージを届けるために、インパクトにこだわった」(同)という。
2007年10月、九州地域でテスト販売を開始すると、“飲むデザート”という新しいカテゴリーの商品はすぐに評判になった。生産ラインのキャパシティを超えるほどの発注がくるようになり、関東地域でドロリッチが発売されたのは翌08年3月と半年以上先になるほどだった。