外の生地はサックリとしていて、中の生地はしっとりとしている商品設計は開発に苦慮すると思われたが、手がかりはすぐ近くにあった。それは日本伝統の和菓子まんじゅうだった。「まんじゅうは外側の生地と、あんからできている。別々に仕込み一つに成形してから蒸す。生地の加工段階についてのアイデアは、まんじゅうからだった」(菓子事業本部マーケティング本部の野口一彦氏)と打ち明ける。これを裏付けるように原材料には「白ねりあん」が含まれている。サックリとした食感の外側が特徴の生地と、ある程度の水分量を残した内側の生地を別々に仕込み、内側を外側の生地で包み込むまんじゅうの構造を採用し、焼いても中の生地がしっとりとした状態になる食感を実現した。
もうひとつ、こだわったのが具材に使われているチョコチップだ。不二家はルックチョコレートやアーモンドチョコレートなど、さまざまなチョコレートを発売してきたが、カントリーマアムでは専用のチョコチップを開発し自社で製造している。
生地自体が甘めなため、相性が合うようにビター感のあるチョコレートを使用し存在感を引き立たせただけでなく、形状も手で絞ったような形にして、手づくり感が出るように工夫した。
また生地を二重構造にしたことが、チョコチップの食感を強調する上で役に立った。「一つの生地にチョコチップを入れて焼くと固くなってしまうが、水分量を含んだ内側の生地に含めて焼くことで、柔らかい食感を残すことができる」(同)とし、まんじゅう構造のもう一つの利点を語った。