もっとも、日清食品にはレトルトカレー商品がない。カレールウの開発は困難を極めると思われた。だが「香辛料や調味料を調合するノウハウや技術は、カップ麺で長年培ってきた。また辛さの基準についても、カップヌードルカレーを参考にすることができた」(上原ブランドマネージャー)という。
ニンジンやポテト、ダイスミンチなどの具材は、カップヌードルで使われているフリーズドライ(FD、真空凍結乾燥)技術を用いた。開発したカップカレーライスでは、ダイスミンチに牛脂などを使いビーフ味にしているが、基本的にはカップ麺と同様の具材を使っている。「日清食品がつくったカレーライスという軸を貫くため」(同)とその理由を語る。
パフライスには09年3月に発売された日清GoFanに使われた膨化乾燥技術を用いた。炊き上げた米を高温高速の熱風で膨化させ乾燥させることにより、独特のコシのある食感を実現した。また、同ライスには「カップヌードル ライト」(09年1月発売)で開発された「ミスト・エアードライ製法」も活用しており、独特の食感と味わいを出すことに成功した。
ただ、カレーライスに使うパフライス用に、独自の工夫をする必要があった。カレールウの中でもふっくらもどる状態にするために「水分が浸透しやすいように、米の乾燥方法を改良した」(同)という。
試作の回数は「何十種類にも及んだ」(同)。企画から約2年、カップヌードルの技術や簡便性を追求し、随所に“日清食品らしさ”が詰まった「カップカレーライス」は、上層部も納得のいく商品に仕上がった。