素材を生地に練り込んだスティック形状のポテトスナック菓子という基本スタイルはできあがった。だが、まだプロジェクトメンバーの前にはある壁が立ちはだかったままだった。
屋外でも食べられるスナック菓子の利用シーンを考えると、メンバーの間に「みんなで楽しく食べる」というキーワードが浮かんだ。楽しさをスナック菓子でどう表現したらいいか—。この問いにメンバーが出した答えが「食感」だった。だた、この“楽しい=心地よい食感”が壁となっていた。
求める食感を開発するために独自の製造技術を開発、試作をしては消費者調査を繰り返す日々が続いた。「開発期間のほとんどを、食感の研究に費やした」(小泉貴紀部長)ほどだった。
試作を山のように重ねようやく「はじめにカリッとあとからサクサクの食感」(同)に行きついた。「もともと経営層から『固い食感ものは売れない』と言われていた。それでもめげずにメンバーは開発を続けた。今でこそ固い食感のスナック菓子が多くなってきているが、当時は口どけのよい商品がほとんど。既成概念にとらわれない若手だからこそできた着想」(同)と目を細める。
1994年、独特な食感が特徴のスティック型ポテトスナックは発売された。しかしこの時の商品名は「じゃがりこ」ではなく「じゃがスティック」だった。